時間と私

 先日、子どもの体調が悪いため、仕事を休んだ。会社に休みの連絡をいれると、いつもあっさり許可される。本当は、もう少しあてにされたい気持ちもあるのだが、今の状況では仕方がない。

 

 子ども三人を抱えての就職活動は、簡単ではなかった。何カ所か受けたが、あっさり落ちた。本当は経験のある花屋が、アピールするには良いのだが、やはり店は土日祝日に出てくれる人を選ぶ。休みの日は、子どもを見なくてはいけないから、仕事はできない。

 

 また、子どもが体調を崩すことはないと、言えるわけがない。私は、もう職場にとって、都合がいい人間ではなかった。

 

 あきらめかけていたとき入れた今の会社。そこで私は、今までの考え方が大きく変わることになった。上司の女性は昔、お子さんがよく体調を崩されていたそうで、私の家が三人のわりに少ないと言っていた。

 

 私は、これまで短時間でなるべく多くの仕事をこなすことが、良いことだと思っていた。しかし、この会社ではいくつか必ずやってほしいことはあるものの、十分こなせる内容で、あとはできる分だけやって、決められた時間で帰ってほしいようだった。

 

 また、同じ係の人は、私に同じ仕事をなるべくたくさんやってもらうよりも、ある程度仕事を残して、時間が余ったら自分で別の仕事を探してやってほしいようだった。最初のうち、私はこのことが理解できず、空回りしてしまった。

 

 早くやらなくてはと、あわてて失敗したり、多くのことをやろうとして、決められた時間を超えてしまったりした。しかし、やっと私は自分が苦手としていたことを、学べる場所にたどり着くことができたと感じている。


 この前上司の女性が、ふと不思議なことを言っていた。
「子どもが体調を崩すときって、だいたい自分も仕事行きたくないなと思っているときで、そういう意味では、うちの子も親孝行だったな・・・。」
言われるまで、気が付かなかった。そして、とても驚いた。本当に子どもの体調が悪いときは、自分も具合が悪くなりかけていたり、気持ちが沈んでいたりするときだった。

 実際は大人だって体調の悪いときがあるし、どうしても休まなくてはいけないこともある。けれども、そのことをみんなが理解しあえるようになるには、世の中全体が変わらないといけないのかもしれない。

 

 今回は、記事の内容に関連して、こちらの本を紹介したい。とても有名な本なので、知っている方も多いと思う。ミヒャエル・エンデ作の「モモ」だ。子どものとき読んで、内容はなんとなく理解していたのだが、大人になってみて「これは、このことだったのか。」と体験とともに気付くことがいくつもあった。私も、いつの間にか「時間泥棒に時間を盗まれていた」のかもしれない・・・。

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